設立趣旨
高等教育においては、学習や教育の質の向上が喫緊の課題となっていますが、これは高等教育に対する社会からの要請でもあります。このような要請に対応するために、大学ではアクティブ・ラーニングの推進や課題解決能力の涵養に取り組んできましたが、電子的学習資源を利用すること、またそのために必要な環境を整備することはこの課題を解決する上で重要な要素です。
今日、知識基盤社会をむかえ、その基盤の主要な構成要素をなす電子的学習資源の重要性はますます高まっています。このような環境の下で、電子的学習資源の質の向上、および量の拡大の重要性については言をまたず、また大学間での共有を促進することは高等教育の質の向上のために不可欠です。
学習、教育を目的とする電子的学習資源の利用は、高等教育の公共性に鑑み、可能な限り自由に行うことができてしかるべきです。しかし同時に、著作権者に対しては敬意を払い、その権利を尊重することも、継続的かつ安定的に教育、学習に資する著作物を生み出す環境を維持する上で重要です。また大学組織のコンプライアンスのためにも、著作物の利用に関して、大学としての組織的な対応が必要です。
このような状況に鑑み、本コンソーシアムは、現下の電子情報環境下において、電子的学習資源の製作、共有化を促進し、また学習・教育において著作物を最適に利用できる環境を整備するための検討を行い、具体化することを目的とします。このような取り組みは、広く学術出版文化の発展に貢献するとともに、知識基盤社会における学術情報基盤の強化にも資するものであります。
なお、現下のオープンエデュケーション、オープンデータの動向も踏まえ、本コンソーシアムでも電子的学習資源の自由な流通環境の構築に向けた取り組みについての検討を今後進めて行く予定です。
組織
会員
2023年6月29日現在
規約
大学学習資源コンソーシアム規約
第1条(名称)
本会は、大学学習資源コンソーシアム(以下「本会」という。)と称する。
2 英文名称は、Consortium for Learning Resources(略称:CLR)と称する。
第2条(目的)
本会は、大学関係者が、学習・教育における電子的学習資源を製作し、及び共有化を促進させる体制を構築し、並びに著作物の円滑な利用環境を整備し、もって我が国の高等教育・学術研究の発展に寄与することを目的とする。
第3条(事業)
本会は、前条の目的を達成するために次の事業を行う。
(1)大学における学習資源の質及び量の向上に資する活動
(2)学習・教育において著作物を利用するモデルの策定及び運用
(3)その他目的を達成するために必要な事業
第4条(会員及び会員の代表者)
本会の会員は、本会の目的に賛同し、第9条に規定する運営委員会(以下「運営委員会」という。)から入会の承認を受けた高等教育機関(大学、短期大学及び高等専門学校をいう。)その他の機関とする。
2 会員は、総会に参加する代表者を定め、本会に届け出なければならない。
第5条(入会、退会及び除名)
本会に入会しようとする機関は、別に定める入会申込書を第9条第2項に規定する運営委員長(以下「運営委員長」という。)に提出し、運営委員会の承認を受けなければならない。
2 本会を退会しようとする会員は、退会届を運営委員長に提出することにより、任意に退会することができる。ただし、退会届が受理された会員の入会金及び年会費は、これを返還しない。
3 会員が本会の名誉を毀損し、又は本会の目的に反する行為若しくは規約違反をするなど除名すべき正当な事由があるときは、総会の決議により当該会員を除名することができる。
第6条(入会金及び年会費)
本会の入会金及び年会費は、別に定める。
第7条(事業年度)
本会の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。
第8条(総会)
総会は、第4条の会員をもって構成し、委任状出席を含め、構成員の過半数の出席をもって成立する。
2 総会は、定期総会を年1回開催するものとし、運営委員長が招集する。
3 運営委員長は、必要があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
4 総会は、必要に応じて書面又は電子メールにより開催することができる。
5 総会の議長は、運営委員長とする。ただし、運営委員長に事故があるときは、副委員長が議長を務める。
6 総会の議事は、出席した構成員の過半数をもって決するものとする。ただし、可否同数のときは、議長の決するところによる。
7 前項の規定にかかわらず、会員の除名については、全構成員の3分の2以上の議決をもって行う。
8 総会は、次の事項を議決する。
(1)会員の除名
(2)運営委員長の選任及び解任
(3)規約の変更
(4)本会の解散
(5)その他本会の運営に関する重要な事項
9 総会の議事については、議事録を作成するものとし、議長及び総会に出席した会員から選出された議事録署名人1 名以上は、議事録に署名又は記名押印する。
第9条(運営委員会)
本会を運営するために、業務執行の決定機関として運営委員会を置く。
2 運営委員会は15名以内で構成する。
3 運営委員会に運営委員長及び副委員長を置き、運営委員長は本会を代表する。
4 運営委員長の任期は、選任された定期総会の終了時から次の定期総会の終了時までとし、再任を妨げない。
5 その他運営委員会の運営に関し必要な事項は、別に定める。
第10条(アドバイザリーコミッティ)
運営委員会は、専門家の意見を聞くために、アドバイザリーコミッティを置くことができる。
2 アドバイザリーコミッティに関し必要な事項は、別に定める。
第11条(ワーキング・グループ)
本会の事業を円滑に行うために、特定の事項を検討するワーキング・グループを置くことができる。
2 ワーキング・クループの設置及び廃止は運営委員会で決定する。
3 運営委員長は、運営委員会の承認を得て、ワーキング・グループを担当する運営委員を指名するものとする。
4 ワーキング・グループに関し必要な事項は、別に定める。
第12条(事務局)
本会の事務全般を処理するため、当分の間、事務局を国立大学法人千葉大学アカデミック・リンク・センター(千葉県千葉市稲毛区弥生町1番33号)内に置く。
第13条(雑則)
本規約に定めるもののほか、本会の運営に関し必要な事項は、運営委員会が別に定める。
附則
1 この規約は、平成26年5月1日から施行する。
2 本会の設立当初の運営委員は次に掲げる者とし、その任期は、第9条第4項の規定にかかわらず、平成26年5月1日から次の定期総会の終了時までとする。
運営委員
小林 幸徳 (北海道大学)
渡部 信一 (東北大学)
加藤 和彦 (筑波大学)
竹内 比呂也(千葉大学)
山中 弘美 (千葉大学)
長丁 光則 (千葉大学)
吉見 俊哉 (東京大学)
山里 敬也 (名古屋大学)
北野 正雄 (京都大学)
吉田 素文 (九州大学)
田村 俊作 (慶應義塾大学)
3 本会の設立当初の事業年度は、第7条の規定にかかわらず、平成26年5月1日から平成27年3月31日までとする。
附則
1 この規約は、平成27年6月22日から施行する。
沿革
2014年
- キャンパス・イノベーションセンター(東京・田町)にて「大学学習資源コンソーシアム(CLR)」設立総会を開催。当日は東京大学、京都大学など加盟する9大学関係者が出席し、文部科学省研究振興局参事官(情報担当)及び、学術基盤整備室長参席のもと、正式にCLRが設立された。
- 学協会系コンテンツWG、商用学術コンテンツWG、活用ガイドラインWG、プラットフォームWGを設置し、活動を開始した。
2015年
- 「これからの大学教育、これからの電子教材」(図書館総合展フォーラム)を開催した。
2016年
- 電子・オンライン教材内での著作物の活用についてのガイドラインである、「大学学習資源における著作物の活用と著作権」を公開した。
- 「高等教育における著作物利用環境整備に向けて」(図書館総合展フォーラム)を開催した。
2017年
- CLRの主要活動テーマである「教育・学習における著作物利用モデルの策定」の一環として「大学のデジタル教材活用実験」を開始した。
- 2016年に作成したガイドラインの英語版として、"Use of Copyrighted Works and Copyright in University Learning Resources"を作成、公開した。
- 「著作権法改正後の教育現場における著作物利用環境を展望する」(図書館総合展フォーラム)を開催した。
2018年
- 著作権法改正対応WGを立ち上げ、改正された著作権法第35条の実施に向けた関係者のルールの形成にあたり、大学としての対応方針について精力的な検討を行った。
- 著作権法改正対応WGメンバーは「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」において、大学関係団体の推薦委員として参加。竹内比呂也センター長(CLR運営委員長)が同フォーラムの共同座長に就任。
2019年
- 「高等教育における著作物の利用促進とそれを支援する体制」(2018年度第5回アカデミック・リンク/ALPSセミナー)をCLR共催として開催した。
- 「大学の授業のICT化と図書館の役割」(図書館総合展フォーラム)を開催した。
2020年
- 「改正著作権法第35条運用指針策定に関する論点整理」(著作物の教育利用に関する関係者フォーラム)について、CLRwebサイトで教育機関に向けた積極的な情報発信をおこなった。
2021年
- 普及啓発WGを設置し、活動を開始した。
- 「著作権法改正は大学教育に何をもたらすか」(2020年度第4回アカデミック・リンク/ALPSセミナー)をCLR共催として開催した。
2022年
- 「誰もが安心して著作物が利用できる環境を目指して-著作物等の円滑な利用環境の実現に必要な体制等の整備に向けて-」(2021年度第5回アカデミック・リンク/ALPSセミナー)をCLR共催として開催した。
2023年
- ガイドライン「大学学習資源における著作物の活用と著作権」(日本語版/英語版)の令和5(2023)年改訂版を作成、公開した。
- 著作物利用支援WGを設置し、活動を開始した。
- 「DX後の大学と学習資源」(2022年度第5回アカデミック・リンク/ALPSセミナー)をCLR共催として開催した。
- 「著作物の利用環境整備は進んだか:授業目的公衆送信補償金制度開始から3年を経て教育現場から見える課題」(ALPSプログラムシンポジウム 第9回)をCLR共催として開催した。
入会の申込
大学学習資源コンソーシアム(CLR)への入会をご希望の機関は、下記照会先までお問い合せ下さい。
照会先
大学学習資源コンソーシアム(CLR)事務局
千葉大学 アカデミック・リンク・センター内
住所:〒263-8522 千葉県千葉市稲毛区弥生町1-33
TEL:043-290-2263
E-mail:clr@chiba-u.jp